びっくりです。
ビッグシューターコンパクトの、ハンドルノブとスプールシャフトを受けてるベアリングを脱脂して、10minutesで購入したBOREDオイルに漬け込んでやったら、びっくりするほど快適なリールに生まれ変わりました。
ワンランク上の5万円台のリール並みのフィーリング。
バックラッシュしずらくなって、ブレーキ緩められた分飛距離は伸びました。
今回使ったオイルは粘度高めだったんだけど、抵抗が増えて回転がマイルドになったことによってバックラしなくなったのか、逆に脱脂したことで回転が良くなってバックラしなくなったのか。
たぶん後者だと思うので、今度サラサラ系のオイル買ってきて実験してみます。さらにぶっ飛んじゃうのかな?
ベアリングの交換や脱脂は、全然難しくなかったので、みんなやると良いです。
あと、今回ハンドルノブにベアリングを追加しました。HEDGEHOGなどから高精度でオイルチューン済のベアリングを買ってきて入れるのが一般的ですが、ミネベアというメーカーのベアリングをオイルチューンして使ってみました。
ミネベアなら1個312円!
めっちゃ回るし、ノブが回るようになったら、巻き心地かなり良くなったよ!
高いベアリングなんていらなかったんや!
ビッグシューターコンパクトのベアリング脱脂とオイルチューンの手順を紹介します
ネットで調べれば色々出てきますが、一応やったことを紹介しときます。
この記事を参考にする場合は自己責任でお願いしますね。
ベアリング脱脂の意味や効果について理解しとく
まず最初に今回の作業の意味と効果を確認しておこう。
ベアリングとは、機械の回転する部分を支え、効率よく回るようにするための部品です。
ベアリングにもいくつか種類がありますが、リールにはだいたいボールベアリングが使われています。
輪っかの中に金属のボールが仕込まれていて、ベアリングが回転すると中のボールも一緒に回ります。
それにより機械の回転がスムーズになるという物品です。
ベアリングの外側もボールも金属です。回転すると擦れる訳で、そのままだと傷つき壊れます。
傷つかないように保護するためにベアリングの中は、オイルやグリスで満たされて、ボールを守っています。
キズからだけでなく、水やゴミの侵入を防ぐ役割もありますね。
ただし、これらの油はベアリングが回転するときの抵抗にもなります。
使い古したベアリングは中の油が汚れたり、最悪固まったりして著しく性能が落ちてしまいます。
ベアリングの脱脂というのは、ベアリングに注入された油を除去する行為です。
これにより抵抗がなくなり、ベアリングがよく回るようになります。
ただ、脱脂だけだと防御力ゼロですので、オイルやグリスを注入し直します。
管釣りなんかだと、ほんの一滴オイルを垂らすだけにとどめ、最小限の保護と最大限の回転を求めたり、
ソルトで使うことを想定した場合、グリスよりはさらさらしたオイルに浸して、保護と回転のバランスをとったりなど、シチュエーションや好みに応じてチューニングすることができます。
道具を準備する
以前にまとめたけど、こんな道具を用意しました。
パーツクリーナーとは油汚れを落とす液体で、使ったのは呉工業の安いやつ。
プラスチック製のボディには使えないので、オーバーホールをする場合は注意が必要。プラスチックにも使えるパーツクリーナーを用意する必要がある。
ビッグシューターコンパクトならフルメタルボディなんで大丈夫ですけどね。
ベアリングの脱脂用としてだったら気にしなくてもへーき。
スプールを外す
これは通常のメンテナンスでも行うことなんで、普通にできますね。
ハンドルノブを外す
ハンドルノブには、付け根にベアリングが入ってますので、これを外していきます。
まずマイナスドライバーや、小銭などを使って、蓋を回して開きます。
蓋をあけるとネジが見えるので、プラスドライバーで外します。
ネジを外すと中にハマってるベアリングが取り出せます。
ベアリングを取り出すのには、HEDGEHOGのリムーバーが超便利でした。クリップを破壊して引っ掛けて取る方法もありますが、持ち手があると超楽。
ノブを外すと、ノブの根本にはベアリングではなく、プラスチックのカラーが入ってました。
今回これはミネベアのベアリングに交換しますが、順番に並べてみました。
もう片方のノブも同じように外していきます。
これで、ハンドルノブの分解は完了!簡単だった!
ボディ側のベアリングを取り出す
次に、ボディ側のベアリングを取り出します。こっちのブレーキユニットの中にベアリングが入ってます。
ベアリングの上にクリップみたいな細い金属がはめ込まれているのが分かるでしょうか。まず最初にこいつを取り出します。
マイナスドライバーで引っ掛けて取ります。
こいつが厄介でドライバーを差したのと反対側を手で抑えながらやらないと吹っ飛んでいくらしいので、注意して行います。
ドライバーがマグネットに引き寄せられてやっかいだったので、取ってからやってもいいかも。
ピンが外せたら、リムーバーで引っ掛けてベアリングを取り出します。
次!
スプール側のベアリングを取り出す
最後にスプールにハマってるベアリングを外します。
使うのは、こっちのリムーバー。
これは代用品が見つからなかったので、HEDGEHOGで買うしかなさそう。
ちょっと画像が暗くなっちゃってますが、シャフトに穴が空いていてピンが刺さっているので、リムーバーを使ってコレを抜きます。
抜けました。ピンは先が太い方と細い方があり、細い方から押し出します。
僕は間違えて逆から押し出してしまいリムーバーの先端が曲がってしまうというミスを犯しました。
交換できるんですけど、ちょっとテンションが下がる..。
ピンを外すと、ベアリングが取り出せますので、リムーバーで引っ掛けて外します。
取り外したら順番に並べて写真を撮っておく
スプールとハンドルノブをばらした図。
後で組み立てる用に組まれてた順番通りに並べて写真を撮っておくと良いです。
まぁ、この程度なら別に覚えてられますけども。
ベアリングを洗浄&脱脂する
次は、パーツの洗浄アンド脱脂。
ベアリング洗浄ケースにすべてのベアリングをぶち込み、パーツクリーナーを噴射する。
ついでにネジやハンドルノブの蓋もきれいにしちゃおう。組み立てた後に残った油がベアリングに付着したら意味ないから。
ちなみに今回は既存のベアリングをチューンするだけでなく、ハンドルノブへのベアリング追加も行う。
用意したのはミネベアのベアリング。
新品のベアリングも中に入ったグリスを除去してから、新しいオイルを与えるので一緒に脱脂する。
洗浄ケースへドボン。
気分が悪くなることはなかったけど、窓を開けて換気しながら行ったほうが良さげ。
ヒタヒタになるまで噴射する。
パーツクリーナーに浸け込むことで油と汚れが浮いてくる。
人によってはケース毎シャカシャカ振って洗浄する人もいるみたいだけど、ベアリングが傷つく可能性があるので、エアダスターでぶくぶくする。
こっちの方法の方が安全で良い。
ベアリング以外のパーツを取り出して、ベアリングだけさらに浸け込む。10分くらい放置。
浸け込むことでベアリング内部に注入されているグリスが溶けていく。
キムワイプの上に取り出すと、余分な油を吸い取ってくれていい感じだった。
布とかティッシュ、キッチンペーパーだと、毛羽立ちゴミがくっついてしまうらしい。
クリーナーから取り出したら、必ずドライヤーで乾かす。
クリーナーは揮発性が高いものを使っているのですぐ乾くんだけど、その時熱を一緒に奪っていくので、結露する可能性があります。
水が内部に残っているとオイルチューンがうまくいきませんので、かならずドライヤーの熱で結露しないように乾かします。
人によってはライターで炙るらしい。怖いからやんないけど。
ベアリングの回転をチェック&洗浄を繰り返す
乾いたら、ベアリングチェックツールでベアリングの回転を確認する。
今回脱脂する前にも確認してたんだけど、スプールのベアリングは回るけど、ちょっとボールがガタついた感じがする。
ジャーーーって感じ。
ハンドルノブのベアリングは全然回らない。
新品のミネベアベアリングはシャーーーッとキレイに回る。
10分3セット漬け込んだら、スプールベアリングはいい感じにシャーーーっと回るようになりました。
ハンドルノブのは..。ちょっと微妙だけどましにはなったので、良しとしました。
ピンセットで代用する人もいるけど、傷つきそうなので、ちゃんとしたのを買いました。
ベアリングをオイルチューンする
グリスを除去したベアリングは、そのままだと防御力0の状態ですので、オイルを差してやる必要があります。
上にも書いたけど、オイルはあくまで抵抗になるものなので、スムーズな回転を求めるならオイルは最小限にする。
その場合、オイルはベアリング1つに対し、1滴たらすだけ。薄い膜が形成されればOK。
でもそれだと水や汚れに侵食されやすくなり、性能が低下しやすくなる。
ビッグシューターコンパクトは海水でも使いたいので、できればベアリングの中のボールにも膜を貼って欲しい。
オイルはヒタヒタに浸け込むことにしました。
オイルにも色々種類があって、特に粘度によって性格が変わる。
サラサラしてれば抵抗は弱く回転はスムーズに、ねっちょりしてれば保護能力が高くなる。
今回は中粘度の10ミニッツ仕様BOREDオイルをチョイス。
浸すために100均で買ってきたチャック袋にベアリングを入れる。
キャップがスポイトになっていて2プッシュ分くらい使いました。
小さい袋を使うと、オイルを無駄にせず漬け込める気がします。
ベアリング全体にオイルが行き渡るように、念のため30分くらい放置。
シャフトやノブに付いた油も落とす
脱脂やオイル漬けの待ってる間に、綿棒をパーツクリーナーに浸して他の部分の掃除をする。
特にベアリングを取り付ける場所である、ハンドルノブのシャフト・ハンドルノブのネジ部、スプールシャフト、ブレーキユニットのベアリングはめるとこなどをキレイキレイする。
綿棒の繊維が残らないように拭いたあとはエアダスターでゴミを吹き飛ばす。
キレイにした場所にオイルを塗る
キレイにした場所には、ベアリングに使うのと同じオイルを塗っておく。
ここいらは余分な油が飛び散らないように、薄くハケで塗る。
100均の化粧用品コーナーで買ってきました。
ハケで塗ったあとはエアダスターでゴミを飛ばすのも忘れずに。
分解と逆の手順で組み立て!
分解したときと逆の手順で組み立て行く。
光り輝くビッグシューターコンパクトを手に入れた!
組み立ても特に難しいことはないけど、ベアリングを留めるピンがちょっと入れにくいかも知れません。
溝があるので、そこに埋め込んでいく感じです。
チューニング後の感触はどうよ?
まずは屋内で空回ししてみる
スプールを指で弾いた感じでは特に違いは実感できなかった。
まぁ、ライン巻いてあるしこれはしょうがない。
しかし、ハンドルノブを回してみると..
シュルシュル!!
すげー!ベアリングすげー!ミネベアのベアリングすげー!!
半端なく回るようになりました。
今までジャって音がしてたんですが、ボールが回ってなかったんでしょうか。脱脂洗浄したことによって音もなくなりました。
ハンドル回してみても、軽い軽い!
ベアリングが抵抗になってたんだなぁ。抵抗は水中の情報もカットしてしまう訳だから、感度も上がるはず。
あとは、この回転の良さが使ってみてどう影響するのかですが..
リプラウトで遠投してみる
リプラウトにつけて投げてみた。
とりあえず1投目は様子見でブレーキマックスで。
ルアーはジグザグベイト80S。17g。
びびった。
投げた時の、スプールから出る音が違う。
巻き感はワンランク上のリールのよう。
これかなり効果出てるんちゃう?って感触。
ハンドルノブのベアリングでこんなにも変わるのか..。
巻き抵抗が明らかに軽くなった。こりゃ流れの強弱が分かっちゃいますわ。
次はスプールベアリングの性能確認。徐々にブレーキを弱めていく。
いつもならバックラするかしないかくらいの位置まで緩めても、バックラする気配なし。
さらに緩めて、3分の2くらいの位置まで緩めて、やっとラインが浮き上がり始める。
MAXの飛距離は10mくらい伸びたと思う。40m強~50m弱くらい。
こんなに変わると思わなかった!!
10g以下のルアー、エリア10も30mキャストが余裕で決まる!
安心して振り抜ける感じがするので、もっとキャストが上達すればもう10mくらい飛ばせそうな気がする。
ベアリングには、オイルはヒタヒタにして問題ないですね。
耐久性重視してもBORED10オイルの粘度なら、そこまで摩擦が増えるわけではないようです。
これですでに満足行くレベルだけど、今度低粘度オイルも試してみよう。
今回1から道具を揃えたので、若干コストがかかりましたが、それでも1万円くらいです。
次のリールはミネベアのベアリング300円分くらいで、これだけの性能アップができるとしたらめちゃくちゃコスパ高いと思います。
『結論、ベアリングのチューニングはとてもコスパが高い。』
あとは、耐久性がどれくらいあるかですね。しばらくこのまま使ってみて追記したいと思います。
ミネベアのベアリングについては別記事で紹介しますね。
今回、Amazonやらモノタロウやら100均やら色んなところで道具を揃えましたが、HEDGEHOGStudioなら一式揃えられるので、面倒な方はここで揃えちゃうのがおすすめ。
脱脂も面倒って人もHEDGEHOGでチューニングされたベアリング買ったら良いです。
素人の僕が行ったチューニングで、びっくりするような効果を得られたんで、プロがチューニングしたベアリングなら半端ないことになるのではないかと思います。
セラミックだなんだって特徴によって使い分けられるようにラインナップがあるので、男心もくすぐりますしね。
2,000~3,000円くらいです。
ヘッジホッグは、リールに適合しないサイズのベアリングを間違って購入しちゃっても、交換してくれるとこが素敵。
5,000円以上で送料無料なので、リムーバーやメンテ用のオイルを一緒に買うと良いと思います。
Availスプールもいつか試してみたい。半端なく快適になるらしい。
番外編トラブル ベアリングを落っことしてホコリまみれにする
組み立てる時に落として、ホコリまみれにしてしまいました。
オイルチューンしたあとだったのでベットベトにホコリを吸着。
当然パーツクリーナーで洗浄し直し。
部屋はよく掃除してから取り組みましょう。